金森穣×史佳Fumiyoshi スペシャル対談レポート
「糸際」-itogiwa-LIVEから2日後の9月21日、日本の舞踊家を代表する存在である
舞踊家・金森 譲(Noism芸術監督)さんと、三味線プレイヤー・史佳の対談が開かれた。
二人の共通点は同年齢であり、新潟を拠点とし、この新潟の文化芸術分野を
牽引しているというところだ。
二人の注目度を証明すべく、会場は80名の予約のお客様で埋め尽くされた。
ついこの間の緊迫したLIVEからは想像もつかないほどの柔らかい雰囲気の中、対談は開始された。
LIVEでの和装とは違い、カジュアルな洋装にスニーカーと、また違う一面を見せた史佳。
金森さんはというと、白のシャツに少しカジュアルめな黒のスーツ。
二人ともリラックスした空気感で、約90分の対談はテンポ良く流れて行った。
主に金森さんが質問をし、史佳がそれに応える部分が多かったように感じる。
金森さんとの対談を願っていた史佳は、10年越しにその夢が叶い、
今日の日を実は今年一番というほど、楽しみにしていたようだ。
史佳が新潟に戻って、津軽三味線1本と心に決めたのが、2000年。
その4年後の2004年、金森さんが新潟で日本初となる劇場専属舞踊団Noismを立ち上げた。
史佳はこの時、金森さんの舞踊会に足を運んでいたのである。
その時に受けた衝撃が印象的だったのか、この対談の日を迎えられて、彼は大変満足している様子であった。
また、金森さんも、ひょんなことから、偶然貼ってあった史佳の公演ポスターに足を止め、
自分と同じ年齢で、同じ新潟に拠点を置く者として、興味を示す。
この時すでに二人は惹かれあっていたようだ。
系統は違うと言え、二人とも環境に恵まれており、始めたきっかけは両親にあるようだ。
お互いの幼少の頃など、普段聞けないトークが飛び交い、お客様との質疑応答で、会場は大変盛り上がりを見せた。
津軽三味線を初めて耳にしたというお客様も非常に感動したと、喜ばれていた。
対談も中頃に差し迫った頃、史佳が、自身の初めて作曲した、「Roots-tabibito-」という、
日本海をイメージした曲を、披露した。
古典の曲ではなく、あえて自身のオリジナル曲を演奏した。
何も知らない金森さんは、演奏後、「この曲なら、踊れそうだ」とコメントをした。
現に、この曲、目を閉じてじっくりその世界に入ると、史佳の作り出す世界が見えてくるのだ。
古典の曲は、聴き慣れていないと、すぐには踊れないのかもしれない。
客席からも、是非二人のコラボを見たいという声もあり、この二人のステージ、実現するのもそう遠くないのでは。
この新潟を引っ張って行く二人の今後の活動に大いに期待したい。