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カーネギーホール公演『THE PASSION OF SHAMISEN』

 

 

2019年10月5日(土)

史佳Fumiyoshiによる、ニューヨーク・カーネギーホール公演が

大成功のうちに終演しました。

ご来場いただいた皆さま、誠にありがとうございました。

お陰さまでチケットはSOLD OUTとなり、満席の会場は圧巻でした。

ここまで多くの方々、企業様のご協力を賜りながら準備を進めてまいりました。

皆さまのお気持ちとお力添えで当日は最高のステージとなりました。

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以下、史佳Fumiyoshiより皆さまへのメッセージです。

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三味線プレイヤー 史佳Fumiyoshiです。

10月5日のカーネギーホールコンサート「The passion of shamisen」では、

多大なるご尽力、ご協力を賜りまして、誠にありがとうございました。

お陰さまで、600人の満員御礼となり、当日開場の前に、

SOULD OUTプレートが会場外のポスターに貼られました。

コンサート最後のスタンディングオベーションの光景は、

最高の時間であり、最高の思い出となりました。

その先にみえた景色に向かって、

また、一歩ずつ芸道に邁進して参りたいと思います。

今回のカーネギーホールコンサートがスタートラインであると考えています。

コンサート翌日から、セントラルパークでのストリートも再開し、

また、新しい一歩をスタートさせました。

最後になりましたが、応援いただき本当にありがとうございました。

今後ともよろしくお願い致します。

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当日の様子などコンサートに関する写真は今後随時、

当WEBサイト、SNSへUPしてまいります。

ぜひご覧ください。

【Facebook】https://www.facebook.com/fumiyoshi.shamisen/

【instagram】https://www.instagram.com/fumiyoshi_shamisen/

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日光東照宮晃陽苑ライブレポート

10月26日開催。

日光東照宮晃陽苑ライブにむけ栃木県日光へ。

雲一つない快晴に恵まれた。

前乗りしていたので、観光を兼ねて今回の出演者で日光東照宮へ行く事に。

その前に、今回の主催者である、『つけ汁うどんあくつ』で、

最高のうどんを食べる。

うどんは二種類あり、通常の白いうどんと、

大麦を使用しためずらしい黒うどんがある。

何度食べても一番美味しいと感じるうどんだ。

メニューは、色々とあるが説明するよりも一度足を運んでほしい。

益子焼の陶器などお皿にもこだわりがあり、

目でも楽しめて、食べて美味しい。そういう、うどん屋。

 

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空腹も満たされ、出発。

ギネスブックにも登録されている日光杉並木を抜け、現れた日光東照宮。

さすが世界遺産と感じさせる存在感。

ここ日光東照宮は言わずと知れた、

江戸幕府初代将軍、徳川家康が眠る神社である。

紅葉シーズンも重なり、観光客で賑わっている。

日本屈指のパワースポットとしても有名な日光東照宮の

ご利益とパワーをもらい、

明日の本番にむけ気持ちは万全状態。

 

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本番当日。

お昼過ぎに会場の日光東照宮晃陽苑に到着。

自然に囲まれた、さすが日光東照宮直営という趣ある会場である。

100名以上入る大きな会場は、舞台環境も良好。

リハーサルでは、音出しの時点で多少のハプニングもあったが、

本番さながらの白熱した演奏で無事に終了。

本番は、第一部、第二部からなり、

お客さまには、食事をしながら演奏を楽しんでもらう構成になっている。

第一部は袴を着ての演奏のため、

本番までの時間に師匠である史佳Fumiyoshiさんに

袴を着付けてもらい自然と気合いが入る。

やはり、袴を着ると気持ちが引き締まり、一層緊張感が増す。

この本番までの時間は、いつも独特の雰囲気だ。

まだまだ不慣れで、ひたすら自問自答の繰り返し。

そして、本番。

史佳Fumiyoshiさんの気迫こもった演奏が始まり、観客を魅了していく。

 

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舞台袖で見ている自分も、どんどん引き込まれていく。そして緊張感はマックスになる。

出番5分前になり、ようやく気持ちがふっきれる。『やるしかない』と覚悟を決めて、いざ舞台へ。

舞台に立ち、客席を見渡す。100人を超える大観衆に圧倒され、

まるで一瞬時が止まったような感覚に。音を出すまでの時間が長く、恐怖感が襲う。

心拍数も上がり、手の震えをこらえ、気合いを入れて独奏【津軽タント節】へ。

 

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一曲弾き終わると少し自分が落ち着くのが分かる。

やはりはじめの曲は言いようのない緊張感が襲うものだ。

次は独奏【竹山流 津軽じょんから新節】。

調弦を終え、自分を奮い立たすように曲前に『はっ!!』と大きな声を上げる。

今日は掛け声も決まり、演奏もうまくいった。

安堵する余裕も無く次の曲は【綜合曲】。

 

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史佳Fumiyoshiさんとの合奏になるが、この曲は、本当に難しい。

何と言っても高橋竹山流の名取の曲だから(名取とは、竹の名前をもらうための認定試験ということ)

一音でも出遅れるとごまかしが効かない難曲。

稽古、稽古、稽古でこの曲をひたすら弾いた甲斐があり、なんとかこの曲も弾き終えた。

ここで僕の出番は一旦終了。

次にパーカッション松井リカ登場。

三味線とカホンの共演で【秋田荷方節】【津軽じょんから新節】を演奏。

息の合った演奏で会場を盛り上げる。

 

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カホンとは南米ペルー発祥の打楽器で、

イスのような木の箱に座り手で叩いて音を出す楽器だが、三味線の響きと、とても相性がいい。

息の合った演奏で会場を盛り上げ、ここで第一部終了。

約40分間の休憩。

ここでお客さまにお食事とアルコールが振舞われ会場全体がリラックスモードに。

 そんな中、第二部の始まり。

ここからは、史佳Fumiyoshiさんのオリジナル曲。

松井リカは、ドラムにチェンジ。

一曲目は作曲家の長岡成貢さんが作曲した【moment】。

続いて【宇宙の花】。

そして、【神風】。ここで僕も再度舞台へ。

この神風には思い入れがある。

今年1月、史佳Fumiyoshiさんの故郷である新潟で開催されたクロスオーバーライブ。

その大舞台で師匠と初出演した曲である。

師匠と僕の三味線二丁で成り立つ、ロック調の曲で、長岡成貢さんに作曲していただいたものだ。

続いて、【桃花鳥(トキ)】。

この曲は史佳Fumiyoshiさんが作曲した曲。

史佳Fumiyoshiさんにとって、とても思い入れのある曲。

アップテンポな曲で、客席からも手拍子と笑顔が溢れる。

 

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続いて最後に史佳Fumiyoshiさんの【即興曲】。

気迫みなぎる音の中に、しなやかかつ大胆な撥の動き。

何人かで奏でているような響き。一切三味線を見ずの演奏。

そして、最後は猛獣かのような気迫で終了。

 

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背中に虎が見えるような。。

どうすればこのような音色が出せるのか、いつも目が点になってしまう。

最高の形で終了。

拍手が会場全体を覆う中、アンコールの声が上がる。

ここで再度、史佳Fumiyoshiさんとともに僕も登場。

会場の雰囲気は最高潮。

アンコール【津軽じょんから節の掛け合い】。

二人でそれぞれソロを弾き、その中で入り混じりながら二人の息を合わせていく。

ついていくのがやっとの状態で、手が動かないくらいまで激しい。

必死で食らいついていくと、客席から大きな拍手があがる。

最後は、涼しい顔の史佳Fumiyoshiさんと必死の形相な僕の顔が対象的になった。

拍手喝采の中、大盛況でライブが終了した。

 

舞台に立つと、改めて史佳Fumiyoshiさんの偉大さが分かる。

僕も観客を魅了し、感動を与えられるそんな三味線が弾けるプレイヤーを目指したいと思うライブでした。

 

今回のコンサートに足を運んでくださった沢山のお客さまと、

この素晴らしいコンサートを企画してくれた関係者の皆様に心より感謝いたします。

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日光東照宮晃陽苑ライブレポーター 更家 健吾

 

 

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フランス公演レポート ナント篇

さて、いよいよ最終公演。

一行は、フランスはパリ→トゥール→ナントと、

とうとう最終日のナント市入りをした。

バスの揺れがまた心地よく、窓の向こうの景色を目に

焼き付けようとしていたのに、いつの間にか眠りについてしまっていた…。

パーキングエリアに着いた頃には、辺りの景色がガラリと表情を変えていた。

向こうが見えないくらいの広い草原に、たくさんの牛や馬。

まるで、絵本の中の世界のような景色が広がる。

美しく流れる川の湖面には、絵画で見た世界がそのまま映し出されているようだった。

次の3枚の写真は、トゥールの町の風景である。

 

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バスを降りて、ホテルへ直行したのち、夕飯へ出かけた史佳と高橋竹山会一行は、

今回のフランスで、一番美味しいレストランに出会うのであった。

と、共に、フランスへ来てから一番の言葉の壁にぶち当たり、苦労するのであった。

 

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翌日、いよいよナント市にての最後の公演。

この日は、史佳、高橋 竹育の二人で親子共演。

そこに少し、松井 リカのパーカッションが加わるとゆうものだった。

今回のナントでの演奏、パリでの公演とは違い、演奏できる曲数は時間の都合上2曲、

そしてリハーサルの音出しも出来ない為、少しの不安が残る中、

ステージに立たなければならないという事であった。

毎回の事ながら、この親子からは不安の表情は全くもってみられない。

もし心の中や頭の中を覗ける機械があれば、是非覗いて見たいもんだ。

まるでお城の中のような建物の階段を上がると、大きなフローリングの部屋へと案内される。

縦長のとても大きな部屋。

一番奥にはフランスと日本の国旗が、掲げられており、

三人は演奏前、国旗にも深々とお辞儀をしていた。

まずは三人での津軽じょんから節。

 

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調弦の時点で、笑みがこぼれそうになるのをこらえた。

なんともまぁ音の反響が良く、三味線の音がとても心地よく響くのである。

パリでのあのデッドな環境はなんだったんだ!とゆうくらい、

フローリングとカーペットの差は大きいのだ。

環境も良い。音もよい。なのに2曲のみとゆうのが悔しいくらいである。

三人での合奏が終わると、史佳一人での即興曲を、披露した。

 

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即興曲の一番最初の音。

右手のバチで鳴らした音から左手で弦をダイナミックに揺らす。

そして弦の響きを最大限に引き出す。

一気に鳥肌が立った。

余韻が、消えるか消えないかの間に次の2音目が響く。

この弦の響き、なんと言葉に出来ようか?

やはり文章ではその素晴らしさは薄れてしまうのか…

私はその響きに、目を閉じて深くうなづいていた。

「これだ。これが響き三味線の素晴らしい音色だ!」と。

終演後の史佳の笑顔には、本当に気持ち良く弾けたのだとゆう気持ちが伝わってきた。

そして、私はまた素晴らしい演奏を、目の当たりにしたのであった。

終演後も国旗に向かい深々とお辞儀。

フランスと日本、これからも益々親交が深まるよう、祈るのであった。

今回のフランスのレポートを書きながら、私はつくづく思った。

小林 史佳とゆう一人の男は、私の想像以上の人物であると。

史佳40年の人生は、普通の人の2倍も3倍も濃い内容を

過ごしてきたんではないかと感じさせられたような気がしてならない。

この40年で進化した史佳は、今後も50.60と歳を重ねる度、どんどんお客様を、魅了していくであろう。

彼にはただならぬものを感じてならない。

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フランス公演 パリ篇、ナント篇

レポーター 松井 リカ

 

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フランス演奏旅行レポート☆Paris篇☆

新潟・フランス協会パリ支部&新潟日報社欧州国際交流拠点

開設1周年記念演奏会

 

史佳、4度目となるフランス公演の日がいよいよやってきた。

9/22、新潟空港より出発し、ソウル仁川経由でパリへ。

一行が現地入りしたのは、夜の19時すぎ。

空港からホテルまでは専用車にて移動。

再び降り立ったパリの夜景は、史佳の心にどう映ったであろうか。

窓越しに見える横顔に、心の中までは映してくれなかった。

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<過去のフランス公演>

2002年5月 フランス•パリ公演 フランス日本大使館公邸、フランス文化センター

2009年11月 フランス•ナントオペラ座演奏会

2011年12月 フランス•パリ ルーブル美術館LEDライティングアップセレモニーナポレオンホールレセプションパーティー記念演奏

 

9/23日(火曜)

「プルルルル」ホテルのモーニングコールと共に迎えたパリの朝。

朝食はやはりパンにフルーツ、卵にハム、チーズと、いかにもだ。

しかしながら史佳は米派なのである。

彼のみなぎるエネルギーは、新潟のお米「コシヒカリ」から生まれているといっても過言ではない。

するとどうだろう。お味噌汁と白米が並んでいるではないか!!

さすがに「コシヒカリ」ではないだろうが、美味しく炊かれた白米。

フランスに来ても、史佳の引きの強さは衰える事を知らないようだ。

 

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この日、午前中は専用車にてパリ市内観光。

「ショイヤー宮、シャンゼリゼ通り、エッフェル塔」など、パリの代名詞を堪能。

足早に観光を済ませ、ホテルに戻るや否や、今回の真の目的、演奏会の時間が迫る。

 

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夕方17時、いよいよこの時が来た。

ホテルは「ノボテル」内バンケットにて、式典・小林史佳・高橋竹育三味線記念演奏。

 

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有意義な朝からは一変、一気に集中力を高める。

演奏者として気になる事の一つとして、環境がある。

どういう会場なのか、広さは?床はフローリング?カーペット?音の反響は?

などなど、演奏だけに集中できない場合も多い。

ましてはここはフランス。日本ではないし、言葉の壁もある。

16時から軽くリハーサルを兼ねての音出し。

いつものように調弦から始める史佳。

すぐさま今日の環境はなかなか厳しいことを理解する。

床が一面絨毯の為、音が吸収されてしまい、とてもデッドな状況なのだ。

音の反響が無く、三味線の響きがなかなか得られない状態であり、

ましてや人が入るとさらに音が吸われてしまい、環境はさらに悪くなる。

私ならとても不安になるが、史佳の表情からはそういった不安要素は全く見られなかった。

逆に、この状況でも最高の響き三味線を弾いてやろうといった、強い意気込みを感じさせるオーラを感じた。

 

今回の演奏曲目、彼はどうしてもやりたい曲があった。

それは3年前、パリルーブル美術館にて演奏した、史佳のオリジナル曲「宇宙の花」である。

この曲は、作曲家・長岡 成貢氏が史佳の為に書き下ろした曲で、

愛をテーマにした壮大な広がりのある曲である。

自分の大切な人を想って聴いてもらいたい曲である。

3年前のあの日、史佳はルーブル美術館で出来立てのこの曲を世界初演していた。

3年の月日が彼の三味線を更に研ぎすまし、この曲のテーマである「愛」が壮大な広がりとなり、

聴く人の心に、今までよりも大きな感動を与える事となるであろう。

 

時刻は17時。

白いテーブルクロスに奇麗に並べられたスプーンやフォーク。

会場は1周年を祝うにふさわしい準備がされていた。

 

やはり史佳といえば和装ではないだろうか?

真っすぐに伸びた姿勢の良さが、彼の三味線に対する真っすぐな姿勢を表すかのようだ。

大きな拍手で迎えられた史佳は、まずは独奏「三味線じょんから~津軽よされ節」をメドレーで披露した。

 

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リハーサルで確認した通り、環境は決して良いものではなかった。

しかしなぜだろうか、気迫とでも言おうか?

予想していたものと随分違ったものがそこにはあった。

史佳の左手と右手の織りなす技は、三味線と心技一体となり、

過酷な状況をも打ち砕く強い「音」となって出ていた。

かなりの集中力と精神統一があった事はいうまでもないだろう。

会場にいた人たちが全員、史佳の音を静かに聞き入る。

一瞬たりとも気持ちにブレを見せない独奏は圧巻であった。

また、会場の空気を一瞬で自分の物にする説得力のある演奏は、

見る者、聴く者の心を掴んで離さないのだ。

 

軽く会釈をしたのち、次曲、新潟高橋竹山会(この日は4名)と、

それを率いる高橋竹育(史佳の母であり師匠である)と合奏、「綜合曲」を披露。

この綜合曲をいうのは、初代高橋竹山師が、津軽三味線の独奏曲として、初めて作曲した曲である。

今の津軽三味線の独奏スタイルを確率した歴史的な曲であり、また名取りの曲でもある。

史佳を含めた5人での合奏。

やはり一斉に5本の三味線が鳴ると、迫力がでるものだ。

史佳と高橋竹育。この2人が軸となり、合奏を纏める。

独奏とはまた違った気迫を感じる合奏。

要所要所で入るかけ声に、また緊張感を感じる。

 

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3曲目は、親子競演にて、津軽あいや節。

この曲は、史佳の母であり師匠である高橋竹育が、一番大切にしている曲である。

この親子競演、本当に見る度、聴く度、そのプレイに納得させられる。

二人とも全く手元を見ないし、お互いの顔も全く見ず、ただ真っすぐに視線を前に向けている。

なのに、息がぴったりで、どうしてその間がわかる?!というように、まさに親子にしか出来ない演奏なのだ。

そしてこの日のあいや節はいつもにも増して、すばらしかったように感じた。

このシチュエーションだからなのか?

いや、そうではない。

そこには国境を超えても心を動かす真の技と、親子の絆があった。

 

4曲目はまた新潟高橋竹山会との合奏「津軽じょんから新節」。

この曲は、津軽三味線で一番ポピュラーであり、早弾きの醍醐味を体感できる曲である。

今回史佳のソロパートの箇所に、パーカッション松井リカが加わっての初試みであった。

5本の三味線の合奏から、史佳の三味線と松井リカのリズムが激しく絡み合い、再び合奏へと戻る。

最後の回しの合奏はリズムも入り、また今までとは違った雰囲気となり、会場は多いに盛り上がりを見せた。

 

5曲目は史佳独奏「秋田荷方節」を、パーカッション入りで披露。

右手のバチが一定のリズムを刻んでいき、非常にテンポ感のある曲である。

リズムがはいることにより、とても聴きやすく感じる上、二人の息のあったプレイが見物であった。

最後の1音がぴったり合った時にはもう鳥肌がでたほどである。

 

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ここで一旦ステージを移動して、いよいよ史佳オリジナル曲の演奏へと移る。

和装から洋装へと着替えをし、また違ったテイストで登場した史佳。

史佳といえば和装と言ったが、結局の所、洋装もいい。

 

6曲目は、冒頭でも説明した、「宇宙の花」

古典の曲とは全く違い、バイオリンや鍵盤、ベースやドラムといった現代的音楽に三味線の音を交えての演奏。

この曲、今回演奏する事に特別なこだわりを持っていたが、彼の心中はどうであっただろうか?

演奏中は何を思っていただろうか?

誰を想っていただろうか?

3年目とどう違った手応えを感じただろうか?

 

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特別な想いが込められた曲は、やはり聴く人にも伝わるのでしょう。

この曲で多くの人が心動かされ感動したとおっしゃられていた。

また演奏中、丁度夕日が沈む時間帯と重なり、壁一面の窓からは、オレンジ入色の光が暖かく差し込み、

とても曲とマッチしており、すばらしい演出効果にもなっていた。

 

ラストはこれも史佳オリジナル曲「桃花鳥」

史佳が作曲したこの曲は、37歳という若さで亡くなった先輩を想って作った曲である。

大空に羽ばたくトキをイメージし、心の中にはいつもその命が輝き続けているというメッセージを込めている。

後から知った話だが、彼は昔、涙でなかなか演奏できなかったらしい。

今はようやく泣かずに演奏できるようになったらしく、どれだけの思い入れがある曲かがよくわかる。

悲しい曲かと思われそうだが、テンポの良いリズミカルな曲で、

大空に羽ばたくトキのイメージがそのまま曲になったかのようである。

盛り上がりをみせる中盤では手拍子が起こり、立ち上がって踊る人や、手をあげて踊る人も出て、

会場が一体となり、演奏が終わる頃には大きな拍手と歓声に包まれていた。

 

こうしてフランス・パリの記念すべき演奏初日が幕を閉じた。

過酷な環境にも左右されない演奏は、彼の間違いない技と、心の強さ、

そして伝えようとするその心の現れではないだろうか。

 

残すは最終日のナントにての演奏。

お楽しみに。。。つづく。

 

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金森穣×史佳Fumiyoshi スペシャル対談レポート

「糸際」-itogiwa-LIVEから2日後の9月21日、日本の舞踊家を代表する存在である

舞踊家・金森 譲(Noism芸術監督)さんと、三味線プレイヤー・史佳の対談が開かれた。

二人の共通点は同年齢であり、新潟を拠点とし、この新潟の文化芸術分野を

牽引しているというところだ。

 

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二人の注目度を証明すべく、会場は80名の予約のお客様で埋め尽くされた。

ついこの間の緊迫したLIVEからは想像もつかないほどの柔らかい雰囲気の中、対談は開始された。

LIVEでの和装とは違い、カジュアルな洋装にスニーカーと、また違う一面を見せた史佳。

金森さんはというと、白のシャツに少しカジュアルめな黒のスーツ。

二人ともリラックスした空気感で、約90分の対談はテンポ良く流れて行った。

主に金森さんが質問をし、史佳がそれに応える部分が多かったように感じる。

金森さんとの対談を願っていた史佳は、10年越しにその夢が叶い、

今日の日を実は今年一番というほど、楽しみにしていたようだ。

史佳が新潟に戻って、津軽三味線1本と心に決めたのが、2000年。

その4年後の2004年、金森さんが新潟で日本初となる劇場専属舞踊団Noismを立ち上げた。

史佳はこの時、金森さんの舞踊会に足を運んでいたのである。

その時に受けた衝撃が印象的だったのか、この対談の日を迎えられて、彼は大変満足している様子であった。

また、金森さんも、ひょんなことから、偶然貼ってあった史佳の公演ポスターに足を止め、

自分と同じ年齢で、同じ新潟に拠点を置く者として、興味を示す。

この時すでに二人は惹かれあっていたようだ。

系統は違うと言え、二人とも環境に恵まれており、始めたきっかけは両親にあるようだ。

お互いの幼少の頃など、普段聞けないトークが飛び交い、お客様との質疑応答で、会場は大変盛り上がりを見せた。

津軽三味線を初めて耳にしたというお客様も非常に感動したと、喜ばれていた。

対談も中頃に差し迫った頃、史佳が、自身の初めて作曲した、「Roots-tabibito-」という、

日本海をイメージした曲を、披露した。

 

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古典の曲ではなく、あえて自身のオリジナル曲を演奏した。

何も知らない金森さんは、演奏後、「この曲なら、踊れそうだ」とコメントをした。

現に、この曲、目を閉じてじっくりその世界に入ると、史佳の作り出す世界が見えてくるのだ。

古典の曲は、聴き慣れていないと、すぐには踊れないのかもしれない。

 

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客席からも、是非二人のコラボを見たいという声もあり、この二人のステージ、実現するのもそう遠くないのでは。

この新潟を引っ張って行く二人の今後の活動に大いに期待したい。

 

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新しい歴史の幕開け 糸際-itogiwa-を終えて

2014年9月19日。

生誕40周年を迎えた史佳は、この節目となる年、

LIVEを丸々一発録音するというレコーディングLIVE「糸際」を、新潟市音楽文化会館にて開催した。

この日の為に、彼はどれほどの練習をし、どれほどのイメージを膨らませ、どれほどの緊張感と意気込みを持ち、

たった一人であのステージに上がっただろうか。おそらくそれは、本人にしか分からないだろう。

極限状態まで自分をもっていき、まさに自分自身との一騎打ちだ。

ましてやこの日のLIVEは一発録音ということもあり、決して失敗は許されない。

会場アナウンスと共に本ベルが鳴る。

一気に騒ついていた客席に沈黙と緊張感が走った。

大きな拍手で迎えられた史佳は、深々とお辞儀をした後、ゆっくりと腰を下ろし、静寂の中調弦を始める。

一音が鳴った時点で、この日のLIVEはいつもと違うただならぬ空気感に包まれた。

オープニングはもちろん、「三味線じょんから」

この曲は、初代高橋竹山師が、いつもステージのオープニングに演奏していた

門付け三味線の曲である。竹山節の型が、この曲に凝縮されている。

オール竹山節プログラムは、全11曲であった。

一言も言葉を発しず、ただひたすら、弾き切ったのだ。

何という事だろうか。

一曲終わると、すぐさま調弦をし、緊張の糸が切れない間に、また次曲へと、3本の糸を紡いでいったのだ。

「糸際」というこのLIVEのタイトル。

これは津軽三味線奏者、史佳が創り上げた造語である。

バチを操る右手と、3本の糸を操る左手のコンビネーションを瞬時に必要とする瞬間芸術の事を意味する。

まさにこの瞬間芸術が目の前で繰り広げられていたのだ。

それは短くも長くも感じられる時間であった。

普段の彼のLIVEでは、持ち前の低音のきいた声を生かし、オンとオフの部分で、柔らかい雰囲気が生まれるのだが、

この日はLIVEが終わるまで一言もその声を聞くことはなかった。

 一番動揺したのは、この日来場されたお客様であろう。

特に毎回彼のLIVEに足を運んでいる方は、いつもと180度違う彼のステージに、ただただ聴きいっているようであった。

要するに、客席の緊張感の糸も切れることなく、約90分間、弾丸のようにひたすら浴びせられる音色に、

身動きがとれない状態だったということだ。

これには心の準備が出来ていなかった方は、正直、とても疲れてしまったかもしれない。

しかし、彼の津軽三味線を聴きたいと来場されるお客様があってこそ、

この「糸際」をやる意味があったというものだ。

三味線を手にしてから30年が経った史佳が、40年に向けての新たな一歩を進む為にも、

「糸際」が一つの区切りとなったのだから。

壮絶な90分間ののち、トミタプロデュースの富田 剛史さんと、

アフタートークが開催された。

ここでようやく、会場の空気が一変し、いつもの穏やかさが戻った。

そのギャップがまたお客様のハートを鷲掴みにしたのではないかと感じる。

アンコールには、おもむろに手ぬぐいを取り出し、目隠しをしての「即興曲」。

これには客席からも、少しざわつきがあった。

普段から手元を全く見ないのも特徴の一つだが、見ないのと、見えないのとでは大きな差がある。

彼はどこまで自分を追い詰めるのだろうか。

私も自然と目を閉じて、聴覚を研ぎ澄ませた。音は前へ前へとどんどん飛んでくる。

三味線が、身体の一部となり、内側からあふれるエネルギーとでも言おうか、

極限状態で11曲を弾き切った後とは思えないエネルギーであった。

これには私も鳥肌が一気にたち、何故だかわからないが、

溢れそうになる涙を必死でこらえていた。

これで、LIVEは終了したかと思われたが、富田さんの要望もあり、

2曲目に演奏した「三味線よされ」のリクエストで本公演を締めくくった。

会場から大きな拍手が響き渡る中、彼は笑顔でお辞儀をし、ステージを後にした。

今回の「糸際」LIVE、今後の彼にどんな効果を与えるだろうか。

これからまた、歳と共に様々なスパイスを調合し、どんどん変化していくであろう。

そんな彼の津軽三味線に、期待せずにいられないのでは?

次の糸際ライブは、10年後の同じ日、、、、、

もしくは、シリーズ化して毎年やってもいいのでは、、、

最後に

糸際レコーディングライブ 演奏曲目とスナップ写真

※本番は写真がありません。

1.三味線じょんから

2.三味線よされ

3.十三の砂山

4.津軽あいや節

5.津軽じょんから中節

休憩

6.ワイハ節

7.鯵ヶ沢甚句

8.津軽小原節

9.弥三郎節

10.津軽三下り

11.津軽音頭

アンコール

即興曲

三味線よされ

 


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ニューアルバム「糸際 -itogiwa-」

2015年1月17(土)

史佳りゅーとぴあライブで、全国発売に先駆けて

先行発売決定!!

 

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