日光東照宮晃陽苑ライブレポート
10月26日開催。
日光東照宮晃陽苑ライブにむけ栃木県日光へ。
雲一つない快晴に恵まれた。
前乗りしていたので、観光を兼ねて今回の出演者で日光東照宮へ行く事に。
その前に、今回の主催者である、『つけ汁うどんあくつ』で、
最高のうどんを食べる。
うどんは二種類あり、通常の白いうどんと、
大麦を使用しためずらしい黒うどんがある。
何度食べても一番美味しいと感じるうどんだ。
メニューは、色々とあるが説明するよりも一度足を運んでほしい。
益子焼の陶器などお皿にもこだわりがあり、
目でも楽しめて、食べて美味しい。そういう、うどん屋。
空腹も満たされ、出発。
ギネスブックにも登録されている日光杉並木を抜け、現れた日光東照宮。
さすが世界遺産と感じさせる存在感。
ここ日光東照宮は言わずと知れた、
江戸幕府初代将軍、徳川家康が眠る神社である。
紅葉シーズンも重なり、観光客で賑わっている。
日本屈指のパワースポットとしても有名な日光東照宮の
ご利益とパワーをもらい、
明日の本番にむけ気持ちは万全状態。
本番当日。
お昼過ぎに会場の日光東照宮晃陽苑に到着。
自然に囲まれた、さすが日光東照宮直営という趣ある会場である。
100名以上入る大きな会場は、舞台環境も良好。
リハーサルでは、音出しの時点で多少のハプニングもあったが、
本番さながらの白熱した演奏で無事に終了。
本番は、第一部、第二部からなり、
お客さまには、食事をしながら演奏を楽しんでもらう構成になっている。
第一部は袴を着ての演奏のため、
本番までの時間に師匠である史佳Fumiyoshiさんに
袴を着付けてもらい自然と気合いが入る。
やはり、袴を着ると気持ちが引き締まり、一層緊張感が増す。
この本番までの時間は、いつも独特の雰囲気だ。
まだまだ不慣れで、ひたすら自問自答の繰り返し。
そして、本番。
史佳Fumiyoshiさんの気迫こもった演奏が始まり、観客を魅了していく。
舞台袖で見ている自分も、どんどん引き込まれていく。そして緊張感はマックスになる。
出番5分前になり、ようやく気持ちがふっきれる。『やるしかない』と覚悟を決めて、いざ舞台へ。
舞台に立ち、客席を見渡す。100人を超える大観衆に圧倒され、
まるで一瞬時が止まったような感覚に。音を出すまでの時間が長く、恐怖感が襲う。
心拍数も上がり、手の震えをこらえ、気合いを入れて独奏【津軽タント節】へ。
一曲弾き終わると少し自分が落ち着くのが分かる。
やはりはじめの曲は言いようのない緊張感が襲うものだ。
次は独奏【竹山流 津軽じょんから新節】。
調弦を終え、自分を奮い立たすように曲前に『はっ!!』と大きな声を上げる。
今日は掛け声も決まり、演奏もうまくいった。
安堵する余裕も無く次の曲は【綜合曲】。
史佳Fumiyoshiさんとの合奏になるが、この曲は、本当に難しい。
何と言っても高橋竹山流の名取の曲だから(名取とは、竹の名前をもらうための認定試験ということ)
一音でも出遅れるとごまかしが効かない難曲。
稽古、稽古、稽古でこの曲をひたすら弾いた甲斐があり、なんとかこの曲も弾き終えた。
ここで僕の出番は一旦終了。
次にパーカッション松井リカ登場。
三味線とカホンの共演で【秋田荷方節】【津軽じょんから新節】を演奏。
息の合った演奏で会場を盛り上げる。
カホンとは南米ペルー発祥の打楽器で、
イスのような木の箱に座り手で叩いて音を出す楽器だが、三味線の響きと、とても相性がいい。
息の合った演奏で会場を盛り上げ、ここで第一部終了。
約40分間の休憩。
ここでお客さまにお食事とアルコールが振舞われ会場全体がリラックスモードに。
そんな中、第二部の始まり。
ここからは、史佳Fumiyoshiさんのオリジナル曲。
松井リカは、ドラムにチェンジ。
一曲目は作曲家の長岡成貢さんが作曲した【moment】。
続いて【宇宙の花】。
そして、【神風】。ここで僕も再度舞台へ。
この神風には思い入れがある。
今年1月、史佳Fumiyoshiさんの故郷である新潟で開催されたクロスオーバーライブ。
その大舞台で師匠と初出演した曲である。
師匠と僕の三味線二丁で成り立つ、ロック調の曲で、長岡成貢さんに作曲していただいたものだ。
続いて、【桃花鳥(トキ)】。
この曲は史佳Fumiyoshiさんが作曲した曲。
史佳Fumiyoshiさんにとって、とても思い入れのある曲。
アップテンポな曲で、客席からも手拍子と笑顔が溢れる。
続いて最後に史佳Fumiyoshiさんの【即興曲】。
気迫みなぎる音の中に、しなやかかつ大胆な撥の動き。
何人かで奏でているような響き。一切三味線を見ずの演奏。
そして、最後は猛獣かのような気迫で終了。
背中に虎が見えるような。。
どうすればこのような音色が出せるのか、いつも目が点になってしまう。
最高の形で終了。
拍手が会場全体を覆う中、アンコールの声が上がる。
ここで再度、史佳Fumiyoshiさんとともに僕も登場。
会場の雰囲気は最高潮。
アンコール【津軽じょんから節の掛け合い】。
二人でそれぞれソロを弾き、その中で入り混じりながら二人の息を合わせていく。
ついていくのがやっとの状態で、手が動かないくらいまで激しい。
必死で食らいついていくと、客席から大きな拍手があがる。
最後は、涼しい顔の史佳Fumiyoshiさんと必死の形相な僕の顔が対象的になった。
拍手喝采の中、大盛況でライブが終了した。
舞台に立つと、改めて史佳Fumiyoshiさんの偉大さが分かる。
僕も観客を魅了し、感動を与えられるそんな三味線が弾けるプレイヤーを目指したいと思うライブでした。
今回のコンサートに足を運んでくださった沢山のお客さまと、
この素晴らしいコンサートを企画してくれた関係者の皆様に心より感謝いたします。
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日光東照宮晃陽苑ライブレポーター 更家 健吾